進路・就職
鍼灸師とは
世界から注目される
「鍼灸」とは
人間の体には361箇所のツボがあり、東洋医学ではツボを「経穴」と呼びます。鍼灸治療では、経穴に鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて刺激を与えることで、自然治癒力を高めて症状の回復を図ります。主な効果は、生体機能調整作用(組織や器官の機能回復)、血行促進作用、免疫力の活性化作用、麻酔効果などがあります。施術方法や使用する道具は多様で、様々な症状や分野において力を発揮する治療法です。薬や手術を伴わないため体に負担が少ない治療法と言えます。
鍼灸師の資格
国家資格としては「はり師」「きゅう師」の2つに分かれています。同時に両方の資格取得するのが一般的なため、2つの資格を持つ施術者を「鍼灸師」と呼ばれています。
西洋医学では診断できない
「未病」を治す
さまざまな症状に効果のある鍼灸治療ですが、まだ明確な病気となっていない「未病(みびょう)」と呼ばれる状態から患者様と関わり、正常な状態に回復させる点が大きな特徴となっています。
鍼灸術の根底にある東洋医学は、その人の心や体だけでなく、生活環境や食事まで「全体的にとらえて治す」という医療です。
世界も注目する鍼灸
日本だけでなく世界中で西洋医学の限界を乗り越えるために、西洋医学と東洋医学を組み合わせた“統合医療”が注目されています。2018年にはWHO(世界保健機構)が東洋医学を伝統医療として公式に認定し、世界的な規模でその存在が知られるようになりました。欧米でも鍼灸医療を実践する医療機関が増えていたり、美容やスポーツ分野でも活用されています。
鍼灸院を開業できる!
鍼灸師(はり師・きゅう師)には「独立開業権」があり、鍼灸院の開業が認められています。独立開業ができる医療系の国家資格には、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師・助産師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師がありますが、医師や歯科医師、薬剤師といった資格は6年間の専門教育を受けて国家試験に合格する必要があります。医療系国家資格でありながら、鍼灸師は3年間の専門教育を受けて国家試験に合格すれば取得できるため、取得しやすい国家資格です。
また、鍼灸は小さな道具だけで治療ができるため往診診療がしやすく、往診開業という選択もあります。
まさに、今、活躍の場は
広がっています!
国家資格者だから
トレーナーとして求められる!
トレーナーの資格としてアスレチックトレーナー(AT)という民間資格がありますが、この資格だけではプロのトレーナーになるのは厳しいのが現状です。スポーツ現場が求めるは、選手のケガに対して直接治療を行える医療系国家資格者(鍼灸師など)なのです。そのため、事実上スポーツトレーナーとして活躍するためには、医療系国家資格が必須だと言えます。
需要が高まる
美容鍼灸
美容鍼灸で体の中から美しく健康にします。筋肉や内臓の調子を整える事による美肌効果や、むくみ改善など効果が見られます。今後ますます注目される美容の分野でも鍼灸師が活躍しています。
機能訓練指導員、
さらにケアマネージャーの道も!
機能訓練指導員やケアマネージャーとして超高齢社会を支える介護の現場でも鍼灸師が活躍しています。健康寿命への関心の高まり、予防医学の注目が集まる現代にとってますます必要とされる存在です。
目指せる職業・進路
鍼灸院勤務
鍼灸院開業
病院勤務
福祉・介護施設
スポーツ関係
鍼灸師養成学校の教員
その他の医療系資格との比較
健康保険の
取り扱いができる!
鍼灸治療においても、一定の要件を満たす場合は健康保険を取り扱うことができます。慢性の腰痛や五十肩、坐骨神経痛などが対象となります。
開業権 | 保険診療 | ||
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国家 資格 |
はり師・きゅう師 | ○ | △ |
按摩・マッサージ・指圧師 | ○ | △ | |
理学療法士 | × | ○ | |
民間 資格 |
アスレティック トレーナー |
○ | × |
整体師 | ○ | × | |
カイロプラクター | ○ | × |